ベースキット
	ベースキットは タミヤ A-1H スカイレイダーです。 何のストレスもなく作れる秀作キットで、未完成病に悩むモデラーのリハビリ用にもってこいのキットでしょう。
ベースキットの加工 - 1
	マニュアルの指示どおり、主翼下面パーツの後方のエアブレーキ収納部を切り取ります。 排莢口、爆弾架取付用孔はパテでふさいでおきます。 脚収納口のパーツは主翼上面を接着する前に取り付けた方が作業は容易です。 孔の薄皮は収納口パーツ取付後にナイフで切り取り、ヤスリで整えます。
ベースキットの加工 - 2
	補助翼を取り付けるため尾翼にレザーソーでスリットを切ります。 スリットに補助翼を差し込んで瞬間接着剤で固定します。 補助翼はここで取り付けず、後で付けても構いませんが、取り付ける際は補助翼が水平尾翼と垂直になるようにしてください。
ベースキットの加工 - 3
	切り取ったベースキット胴体の尾部。 水平尾翼はこの時点では取り付けなくてもよいです。
レジンパーツの加工
	接着時の補強としてレジンのアクセサリーパーツにシンチュウ線を埋込みます。
コックピットの製作
	コックピットはたった４つのパーツですが見事な出来映え。この辺はさすがにタミヤです。 シートベルトを薄い鉛板で追加しています。 スイッチ類を適当に塗り分けると実感が出ます。 メータがデカールで再現できるのは楽でいいですね。
レジンパーツへ組込み
	レジンの胴体パーツへコックピットを組み込みます。 この際、レジンの収縮によって若干合いが悪くなっていることがありますので、その際はコックピットのプラパーツを削って調整して下さい。 半円形のカードア用の窓もこのときに取付けてください。（くれぐれもお忘れにならぬよう）
胴体の組立て
	左右の胴体を合わせて瞬間接着剤で接着します。 左右にズレがないよう十分注意して接着してください。 接着後、キズが付かないようカードア用の窓にマスキングテープを貼っておきます。
ベースキットパーツの組込み
	切り取ったベースキットの尾部をレジン製胴体と接着します。
アラインメントについて
	スカイレイダーの尾翼部はエンジントルク相殺のため、右舷側にオフセットしているようです。（確証なし） そのため、アラインメントを見る時は真上、或いは前側から見た方がよいです。
パーツ接合時の三種の神器
	レジンは硬化時に含まれている溶剤が気化するためどうしても収縮します。そのため、プラスチックパーツとの接合にはパテのお世話にならざるを得ません。 ここにあるのは私が使っているパテ盛り削り三種の神器です。 右から、 ・ウェーブ　高粘度黒瞬間接着剤 ・アルテコ　スプレープライマー ・スピンブラシ改造スピンヤスリ スピンヤスリについてはこちらをご覧ください。
その他胴体パーツ組込み
	その他、インテーク、主翼などのパーツを接着します。 主翼を接着する際は上反角に注意して取り付けて下さい。 左右の合わせ目やベースキットとの接合部は部分的にサフを吹いて段差や隙間のチェックをしておきましょう。
キャノピーの塗装
	キャノピーは切り出した後（AD-4Wのキャノピーは形状が複雑なので削り合わせを充分行ってください）、マスキングし、下地にクレオスのメタルプライマーを吹いておきます。 以前のメタルプライマーには「塩ビ用下地塗料」の表記があったのですが、なぜか現在売られているものにはありません。 成分に大きな変化はないと思いますので、使用できるのでは？（使用する際は自己責任で） その後機内色のダークグレーを塗ります。
キャノピーの接着
	塩ビ製キャノピーの接着は今回ビニル用の接着剤を使いました。 今売られている多用途接着剤を色々試してみた結果、これが一番「レジンvs塩ビ」の相性がよいようです。 勿論、「ビニル用セメダイン」でもよいと思います。 接着後のはみ出した接着剤はピンセット、ヤスリなどで取り除き、隙間は溶きパテで埋めます。 瞬着は蒸気が内部に入り込むと曇ってしまい、悲惨な結果になるので使用していません。
窓のマスキング
	サフを吹く前にカードア・ウィンドウをマスキングします。 ちょうどよい機会なので、２種類のマスキングゾルを試してみることにしました。 右：GSIクレオス　マスキングゾル改 左：ハセガワ　マスキングリキッド ハセガワ：切れにくい、はがしにくい、色が残る（レジンだけ？）高価 クレオス：成分が分離しやすい、分離すると垂れやすく、乾燥が遅い（撹拌すればいいだけです） 今回だけで結論づけるのは尚早ですが、クレオスの「改」は「買い」です
サフ吹き
	サーフェーサーを全体に吹いて傷や段差のチェックをします。 なるべく気泡のないパーツを心がけているのですが、どうしても入ってしまいます。 レドームのアバタは細かい気泡を埋めた溶きパテの跡。 作例で使用するパーツはとても製品にはできないようなジャンクパーツを使いますので、補修は必須となります。
ストライプの下地
	今回作るのは、スエズストライプ付きのものです。 シーブルーを塗った後にストライプを塗ってもよいのですが（実機はそうやってる）、濃いシーブルーを塗り潰すのは一苦労。　それで、先にストライプを塗っておくことにします。 まず、虎縞模様のイエローの下地としてファウンデーションホワイトを吹きます。
その上にイエローを吹きます
	その上にクレオス #329 イエローを吹きます
ストライプのマスキング
	黒を塗るためマスキングします。デカールのインストによると、黒、黄共に幅は6.375mm（ってどうやって計る!?）。 パネルラインのスジ彫りの箇所はカッターで切って、マスキング液を塗っておきます。
ストライプの黒を吹く
	黒を吹きます。
ステップガイドと着艦用の白線
	搭乗用のステップのガイドと垂直尾翼に描かれた着艦時の誘導用ストライプ（左舷側のみ）をスエズストライプと同様にマスキングしておきます。
ストライプ部分をマスキングして全体塗装の下準備
	全体にシーブルーを塗るため、ストライプの箇所をマスキングしておきます。 マスキングはクレオスのマスキングゾルNEOを使ったのですが、以前使ったモノより良くなっているような気がします。　以前はやたらベタついて挙げ句の果てに溶けかかったりしましたが、今回新しいものを使ってみたところ、ベタつきもそれほど気にならず、パリパリ気持ちよく剥がれます。
グロスシーブルーを吹きます
	全体にクレオス #365シーブルーを吹きます。 この色はカラーセットとなっていて、余計な色まで買わなくてはなりませんが、#14ネービーブルーに白と少量の黄色を混ぜると同じような色になりますので、無駄な色を購入したくない人はお試しを。
キャノピーガラスのシール
	メインキャノピーガラスのシールテープを再現するため枠のヘリを少し残すようにして細切りテープでマスキングし、ファウンデーションホワイトを吹いておきます
マスキングを取った状態
	キャノピー以外のマスキングを取った状態です。 デカール貼り後にクリアーをオーバーコートするため、キャノピーのマスクは取らずにおきます。
塗装境目のバリとり
	マスキングした箇所はテープの厚み分の段差がつき塗料のバリのような感じになっています。 このバリを #1500 のぺーバーでならすのですが、サンディングの際、余計なところまで削らないようにテープで保護します。 削るというより、サッとなでるような感じでサンディングしてやります。
RNマークとシリアル番号のバック
	実機ではスエズストライプが、ROYAL NAVY とシリアル番号の箇所だけそっくり抜かれて塗られているため、シーブルーをバックグラウンドとして塗ってやります。 しっかりマスキングしないと、この様にズジ彫りの箇所に塗料が流れ込んでしまいます。
塗装が終わった状態
	塗装が終わった状態です。 これからデカール貼り後オーバーコート、その他諸々のパーツを組み込んでいきます。
っと、その前に
	デカール貼りの前にレドームの振れ止めステーブラケットを胴体側に設けておきます。 コレは0.5mm プラ板を切り出し、瞬着で付けています。 その後、補強のため根本に瞬着を少量流し込んであります
使ったデカール
	今回使用したデカールは、インストにある、Model Art MAD003 と、このデカールに付いているラウンデルの青が薄い空色で、これが気に入らないため、XTRADECALの X037-48 RAF D-Type Roundels を使いました。 このラウンデル普通だと気にならないのですが、ストライプの上に貼るとチョット透けます。 そのため、ストライプの箇所だけ、同封されている白丸を下地として貼りました。
デカールを貼ったあと
	デカールを貼った後。 424 の番号の幅が大きかったので、１文字ずつ切り離して間隔を詰めました。 この後、全体にクリアーをオーバーコートします。 今回はグロスシーブルーなのでツヤ有りにするのが筋なのですが、個人的に自動車以外でテカテカさせるのは嫌いなので、#181半光沢70% + #182ツヤ消し30% を使いました
スミ入れ
	多くの淡色系の機体では黒をスミ入れに使いますが、今回は濃色なので薄いグレーを使ってみました。 色はタミヤエナメルのジャーマングレーに白を混ぜています。 ふき取る時は胴体は上下に、翼は前後に拭くとウェザリングにもなるので一石二鳥
排気のスス
	スカイレイダーといえば排気のススです。 ガルグレーの機体では真っ黒なススがエアフローに沿って付着しています。 で、シーブルーではどうなのか、と言うことですが、黒を吹いても全然目立たないので、#39 ダークイエローを吹いています。 あまり濃く吹かず、サッと流す程度に吹いてやります。 失敗してもコンパウンドで擦り取ればイイので気楽にやりましょう。
主　脚
	スカイレイダーの主脚は90度回転しながら折り畳まれますが、ギヤ機構は使っておらず、単純に回転軸を斜めにすることで実現しています。　まさにコロンブスの卵。 タミヤのキットではそのあたりもチャンと再現していますので、製作される時は注意して見て下さい。 さて、その主脚柱、銅線でブレーキパイプを付けてみました。留めバンドは細切りのマスキングテープ、瞬着をしみ込ませればガッチリ固定されます。 スミ入れすると実感が出ます。（実機の脚柱はかなり汚れている）
放 電 索
	タミヤのキットの動翼端には「付けろ！」と言わんばかりに放電索の取付部がモールドされています。 で、ご希望どおり放電索を付けました。 0.3 mm のピンバイスで孔を明け、2号の黒テグスを差し込んで瞬着で接着します。 上下翼を接着する際、これ用の孔を掘っておく方が簡単なので、最初に付けるか付けないかを決めておくべきでした。 接着後長さを揃えて切断し、先端を銀色で塗ります。
レドームを取付け、ステーを張る
	レドームを瞬着で接着し、先に機体に付けておいたブラケットとの間に振れ止めのステーを取り付けます。 レドームには 0.4 mm のピンバイスで孔を明け、0.3mmのシンチウ線を渡して瞬着で固定します。
小物の取付
	先に作っておいた脚柱、フラップその他諸々を取付ます。
アンテナ線
	アンテナ線はハンプバック側から張ります。 延ばしランナーをくさびにして瞬着で固定。 尾翼側はピトー管の孔を利用します。
マスキングをはがす
	最後にキャノピーとウィンドウのマスキングをはがすのですが、テストと称して行ったハセガワとクレオスのマスク液の結果発表。 左ハセガワ、右クレオス、はがし易さでクレオスの勝ち！ ご覧のとおり、左側ははがす際に中々はがれず、ピンセットでキズを付けてしまいました。 右側のクレオスはチョット引っ掻いただけで、すぐはがれてくれました。
完　　成　！
	細かいパーツを忘れずに付けて完成です。 なお、プロペラに貼ってある注意書きやロゴマークは、FAA の場合付いていないのが正解のようです。